亜大はドラフト候補のエース青山美夏人投手(4年=横浜隼人)と田中幹也内野手(4年=東海大菅生)の活躍で首位の国学院大を下し、先勝した。敗れた国学院大は青学大に首位を明け渡したが、優勝の可能性を残している。

春の王者が土壇場で意地を見せた。初回、主将の田中幹は先頭で右前打を放ち出塁すると、大学通算48個目となる盗塁を決め、先制点につなげた。

主将の後押しに、先発の青山も奮起した。「最後まで全力で投げ抜くだけ」と初回から低めにボールを集め、毎回の奪三振。8回2死満塁のピンチでは田中幹が「深呼吸」のジェスチャー。青山は大きく深呼吸をし、得意のツーシームで空振り三振に仕留めた。「幹也を見て、落ち着いて投げようと。本当に助かりました」と感謝。4安打12三振で完封勝利を飾った。

負けると優勝争いから脱落する大事な試合に向け、チームが掲げたテーマは「超攻撃野球」。田中幹は「今まで受け身になっていた。自分たちは打撃に自信がない。どうせ打てないなら積極的にいくことだけを考えた」とテーマの意味を明かした。泥くさく勝ち切り、春夏連覇へ望みをつなげた。【保坂淑子】