国学院大が2季ぶり4回目の優勝を決めた。先発した武内夏暉投手(3年=八幡南)が8回を3安打1失点。勝てば優勝という一戦で好投をみせ、MVPに輝いた。国学院大は、東都代表として明治神宮大会(11月18日開幕)に出場する。

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「投手王国」国学院大を証明した。先発武内は、キレのある直球とツーシームを軸に「後ろにいい投手がたくさんいる。目の前の打者に集中した」と8回を98球、無四球の1失点にまとめた。3点リードの9回に楠茂が1失点も、リードを守り切って優勝。登板がなかった巨人ドラフト3位指名の田中千晴投手(4年=浪速)は「チーム全員の勝利。うれしい」と笑みがはじけた。

分析を繰り返し、頂点に返り咲いた。今春リーグ戦。3季連続優勝を逃し2位で終えると、4年生が「攻撃」「投守」「意識生活」の3グループに分かれ話し合った。なぜ優勝できなかったのか、なぜ亜大が優勝したのか、秋日本一になるにはどうしたらいいのか-。問題点を洗い出して得たデータは、寮のトイレなど目につく場所に張り出し、全体で共有化した。特に投手陣は「亜大と比較し走者を背負ってからの失点が多い」とクイックの改善を課題解消の一手に設定。目標タイムを1秒2以内として練習を重ねた。今秋の防御率は武内が0・68、楠茂は0・40と、成果は数字に表れた。楠茂は「走者を背負っても落ち着いて投げられた」と守護神に成長した。

問題点を克服すべく汗を流し、春の王者・亜大を倒して優勝。次なる目標の日本一へ、全国の舞台でも投手力を示す。【保坂淑子】