WBCの新ルール対応へ、侍ジャパンが貴重な経験を積んだ。「侍ジャパンシリーズ2022」第2戦は巨人と対戦。8回、9回だけで村上宗隆内野手(22)、山田哲人内野手(30)、塩見泰隆外野手(29)のヤクルト勢3人が計4本塁打を重ね、逆転勝ち。2連勝を飾った。その後、1イニング限定で無死二塁から始めるタイブレークを実施。前回大会までの無死一、二塁と異なる状況の中、栗山英樹監督(61)は“切り札”を投入。こちらも勝利した。
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この日2度目の勝利のハイタッチだった。タイブレークを4-2で制した。前日の日本ハム戦、9回までの巨人戦に続く“3連勝”に、栗山監督の表情は柔らかい。が、内心は気を引き締めていた。「無死二塁から。一、二塁からというイメージが強かったので、難しい感じがした。意思統一ができるようにやっていきます」と打ち明けた。
WBCのタイブレークは、前回大会までは日本でもおなじみの無死一、二塁から。だが、来春の大会はメジャーに準じ、無死二塁からとなる見込み。この日も無死二塁の継続打順で行った。本戦を見据えた栗山監督のリクエストで、貴重な場が設定された。
無死一、二塁ならバントの選択肢が大きく浮上するが、ゴロ併殺がない無死二塁。異なる状況で栗山監督は1つめのカードを切った。代走周東だ。屈指の韋駄天(いだてん)は二塁に向かう前、三塁の白井ヘッドに直接確認。打者はヒッティングだと頭に入れた。その西川は、巨人畠に対しカウント3-1から左前打。外野は前進しておらず、周東はゆうゆうと生還した。続く佐藤輝の代打近本は一転、バントを試みるも失敗。ただ、そこから相手の暴投や四球に安打を重ね、4点を奪った。
表の4点は大きい。裏のマウンドに、栗山監督は2つめのカードを切った。伊藤だ。「吉井投手コーチとも話した。(伊藤は)経験もあるし、長いのも、短いのもできる」。大学日本代表でもタイブレークの経験がある右腕は“追いロジン”で臨んだ。2連打に味方の失策で2点は失うも、リードを守り切った。
タイブレークの最善手は何か。栗山監督は「状況次第ですね。相手の残っている選手、投手、向こうの打順。こればかりは決められない」と正直に言った。近本の代打バントには「いろんな経験をしてもらいたい。むちゃな感じでやってもらった」。結果が全ての国際大会。9日からは初の外国との試合となるオーストラリア戦が待つ。本戦でも同組の相手。実戦機会を生かす。【古川真弥】
◆タイブレーク 野球やソフトボールで、早期決着を目指して延長戦で人為的に走者を置く特別ルール。WBCでは09年の第2回大会から採用され、17年の第4回大会までは、無死一、二塁から攻撃開始。打順は前の回の終了時点から引き継ぎ、先頭打者の直前2人が走者となる。延長11回から採用された前回大会では3試合で実施された。
▽周東(タイブレークの無死二塁で代走)「本当の戦いがどうなるか、イメージが変わると思う。タイブレークの意識よりは、ただの無死二塁での代走という思いでやりました」
▽伊藤(タイブレークで4点リードの裏に登板。先頭からの2安打などで2失点)「走者がいる中での入りだったので、いつもと違う難しさはあった。1球目から自分の力を出せるようにしないといけない」



