今季で現役を引退する5人が、ファンに別れを告げた。西武のファン感謝イベントが23日、ベルーナドームで行われ、花道としてスピーチの場が用意された。

プロ15年間で365試合の登板を重ねてきた武隈祥太氏(32)は「たくさんのいい出会いがあって、すごくいい野球人生でした」。今後は球団本部ファーム・育成グループ付兼バイオメカニクス兼若獅子寮副寮長に就任する。「影でフル回転で頑張っていきます」と誓った。号泣する今井から花束を手渡された。

2軍の外野守備・走塁コーチとなった熊代聖人氏(33)は「栗山さん、中村さんを筆頭にいい先輩に恵まれて、プロの厳しさ、プロとしてこうあるべきだとたくさん教えていただきました。いい後輩にも恵まれ、自分の立場、立場、役割、そして危機感を与えてもらった」。家族への思いを述べると涙が出た。そしてファンにも感謝。「いい時も悪い時も温かい声援、叱咤(しった)激励をかけてくださいました。そのおかげで、毎日、フィールドで明るく元気に前を向いて頑張ることができました」。

通算53勝をマークした十亀剣氏(35)は「偉大な背番号21を11年間背負えたこと、ライオンズで野球をできたこと、力強い声援を受けて、マウンドに上がれたことは私の誇りです」。今後は関東圏を中心とするスカウトとして、新戦力の発掘を目指す。「今年まで選手だったからこそ気づくことがきっとある。いい選手を取ってこられるように。この場に立てる選手を見つけたい」と語った。

19年には44試合に登板するなど中継ぎ左腕として活躍した佐野泰雄氏(29)は「正直、来年もライオンズの投手として投げたかった。ファンからの熱い声援を受けたかった」と思いを語ってから「いい時も悪い時も熱い声援、本当にありがとうございました」。今後はスコアラーとしてチームに尽くす。「優勝、日本一に少しでも力になれるように努力し、貢献していきたいと思います」と話した。

戦力外を受け、引退を決断した戸川大輔氏(26)は「チームに貢献した数字は残せなかったですが、熱く、温かい応援をしてくださり、ありがとうございました」。実家はG1馬モーリスを生産した「戸川牧場」としても知られる左打者は今後、アカデミーのコーチとしてチームに残ることも報告。「1人でも多くの子どもが野球に興味を持ってもらい、プロ野球選手を目指したいと思ってもらえる環境を作れるように頑張って行きます」と口にした。

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