北海道を活動拠点とするプロ野球独立リーグの北海道フロンティアリーグ、KAMIKAWA・士別サムライブレイズの監督に就任した元日本ハムの中村勝氏(31)が2日、士別市内で就任会見に臨んだ。新天地で監督兼GM兼投手の“三刀流”に挑戦。5月7日の開幕戦で登板するプランも自ら示唆するなど、イケメン右腕は早くも気合をみなぎらせている。

北の大地で新たなスタートを切った中村監督の気持ちは高ぶっていた。「投げたい気持ちと、周りの感じと」と照れ笑い。5月7日に行われる石狩レッドフェニックスとの開幕戦登板プランについて自ら示唆した。「僕自身ももちろん、しっかり準備はしないといけないと思っている。ぜひ球場にその真相を観に来てもらえたらうれしい」と、笑いを飛ばしながら登板の可能性があることを口にした。

09年に春日部共栄からドラフト1位で日本ハムに入団。14年には8勝をマークした。17年に右肘のトミー・ジョン手術を受け、18年に実戦復帰したが、19年に戦力外通告を受けた。翌年からオーストラリアや、メキシコでプレー。昨年2月にオリックスの春季キャンプにテスト生として参加し、3月に育成契約。7月に支配下となったが、3試合で0勝1敗、防御率8・53に終わり、10月に戦力外通告を受けていた。

士別からオファーが届いたのは昨年11月だった。菅原大介球団代表(44)は経緯について「選手はまねることが一番の上達の近道。それが体現できる方、投手出身の監督を据えたい。できれば選手も兼任していただけるような方を考えていた」と説明する。以前からマネジメントする立場としても野球に携わりたいと思っていた中村監督の思いとも合致。「GM、監督というのはすごく魅力的だと思った」と即決断した。

かつて埼玉のダルビッシュと呼ばれた右腕は、監督兼GM兼投手という三足のわらじを履く。日本ハムで10年間過ごしたゆかりのある北海道。もちろん恩返しも考えている。「こうやって縁があったというのはすごくうれしい。10年間ファイターズにいて、たくさん温かい言葉をもらった。恩返しという部分では野球をやっている子たち、触れたことのない子や小さい子たちに、楽しさを伝えられるような活動もしていきたい」。普及活動にも力を注ぎながら、北海道の球界を盛り上げる。【山崎純一】

◆北海道フロンティアリーグ 北海道を活動拠点とするプロ野球独立リーグで21年1月に設立。石狩レッドフェニックス、KAMIKAWA・士別サムライブレイズ、美唄ブラックダイヤモンズの3チームで構成されている。昨年、士別が初代王者に輝いた。石狩の監督は阪神、日本ハムなどで活躍した坪井智哉氏が務めている。

◆中村勝(なかむら・まさる) 1991年(平3)12月11日、埼玉県春日部市生まれ。春日部市立武里小2年の時に、ニュー武里ジャンボーズで野球を始める。09年春日部共栄からドラフト1位で日本ハムに入団。日本ハムを退団後、オーストラリアやメキシコなど海外でプレーし、昨年3月にオリックスと育成契約。同7月に支配下登録。同10月に戦力外通告となり退団。NPB通算63試合で15勝18敗、防御率4・17。士別では背番号16。右投げ右打ち。185センチ、83キロ。