大阪公立大が初の全国切符をつかんだ。大阪観光大を圧倒し、6回コールドで開幕8連勝。勝ち点を4に伸ばし2季連続優勝を確定した。

昨年、大阪市立大と大阪府立大の統合で発足。前身の両大学も全国経験がなかったが、統合2年目で6月5日開幕の全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。

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「METROPOLITAN」の胸文字を刻む大阪公立大のユニホームが歓喜の輪を作った。6回に7得点して勝負あり。5勝無敗のエース正中(しょうなか)敦士投手(4年=小野)の救援も必要なかった。主将の米麦波留(よねばく・はる)外野手(4年=高松商)は「勝てば優勝と分かっていたが、ずっと1日1日、目の前の相手を倒そうと言ってきた。今日もみんなで実行できました」と胸をなで下ろした。

昨年春に大学統合。ライバルとの融合は単純ではなく、府立大出身者が次々と部を離れた。小林隼矢監督(33)は「どのチームにも野球の文化がある。思っていた大学生活と違うという選手もいたと思う」と苦しげに言う。昨秋に優勝できたが、明治神宮行きを決める地区代表決定戦で2連敗。天理大・友杉(現ロッテ)に圧倒されるなど、高いレベルを体感したことで「日本一」の目標が具体化した。

先発10人のうち7人が1年浪人して入学。同じく1浪の正中は高校時代あと2勝で甲子園を逃した。米麦もセンバツ選考漏れの苦い経験がある。「あの経験があるから今、大学で頑張れている」と正中。記念すべき初戦は開幕日の第1試合。あこがれの全国舞台に飛び出す。【柏原誠】

◆大阪公立大硬式野球部 大阪市立大と大阪府立大の大学統合にともない、22年4月に発足。1916年創部の市立大は近畿学生野球で優勝4回、1950年創部の府立大は同1回。ともに全国大会出場なし。発足2季目の昨秋に優勝したが、神宮大会の関西代表決定戦で敗れた。大阪市と堺市のキャンパス内にある両グラウンドで活動。昨秋から指揮を執る小林隼矢監督(33)は市立大OB。