南東北の雄が日本一へのスタートラインに立った。

東日本国際大(福島)が、東北公益文科大(山形)に6-1で先勝。今日7日の第2戦を残し、4季連続36度目の優勝を決めた。播磨雄大主将(4年=埼玉栄)が、先制適時打を含む2安打3打点で打線をけん引。捕手としても、トラブルにより緊急登板した大山凌投手(4年=白鴎大足利)を1失点完投に導く好リードを見せた。チームは、前回大会で4強となった全日本大学野球選手権(6月5日開幕、神宮、東京ドーム)に2年連続で出場する。

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今年も日本一に続くトーナメントの挑戦権を得た。5点リードの9回2死、最後の打者を遊ゴロで打ち取り、ベンチの選手も一目散にグラウンドへ。播磨は快投した大山と抱き合うと歓喜の輪に吸い込まれ、体全体で喜びを分かち合った。昨年の選手権4強を経て、結果への期待やプレッシャーが新チームにかかる中、無敗で頂点に立ち「とにかく(選手権の)スタートラインに立てたことは良かった」と汗をぬぐった。

主将の一打が、試合を動かした。2回1死二、三塁、藤木豊監督(57)から「狙い球をしぼっていけ」と指示を受け、カウント2-1から相手左腕の内角スライダーを強振。右翼手の頭上を越えた打球は先制の2点適時三塁打となった。勢いづいた打線は後続が3連打でつながり、この回4得点。ビッグイニング後の第2打席は3回2死三塁、痛烈な適時中前打でダメを押した。

扇の要としても、相棒を支えた。この日は早坂一希投手(4年=一関学院)が先発予定だったが、コンディション不良で登板を回避。前日5日に代役を任された右腕を、播磨は「大山が投げきるだろうと思って、球数を減らすために何とかかわして、いくところはいくことを意識した」。直球、カットボール、チェンジアップなどを織り交ぜ、相手打線を翻弄(ほんろう)。2安打8奪三振無四死球の1失点完投に導いた。

昨年の選手権はメンバー入りできず、躍動するナインをスタンドから応援した。最終学年で大舞台の切符をもぎ取り、目標は「とにかく先輩の記録を抜かすこと。シード権をもう1回、南東北に持って帰ること」と、チームを代表して言い切った。「去年は去年。今年は今年」と藤木監督。偉大な先輩を超えるため、新生・東日本国際大は、シードでの大会初戦から真っ向勝負する。【相沢孔志】