二塁まで全力疾走していたロッテ池田来翔(らいと)内野手(23)は、打球が左翼席に消えると驚きの表情で減速した。「三塁打だと思って走ってたんで。あらためて回りながら入ってるのを見て、うれしかったです」。7回2死で西武今井から放ったプロ1号ソロ。記念球を大事に持ち帰った。

6日のソフトバンク戦で今季初昇格し、2番で2安打をマーク。エンゼルス・トラウトのようなパワー系2番“トライト”としての飛躍が期待された。…ところだったが、吉井監督は「調子がいいのと、積極的に打っていく打者なんで」と、即1番に昇格させた。

応えた。初回は初球を振り抜いて左中間二塁打。3回1死でも初球を左翼線への二塁打として、いずれも生還した。「チームで最初に回ってくるので、流れを持ってくる打撃をしたかった。チャンスですし、思い切りいきました」。3安打すべてが長打だった。

幕張のトライトは、マリーンズジュニアからロッテに入団した初めての選手でもある。「自分がレギュラーをつかめば、千葉で野球する子どもたちが身近な目標にできる」と使命感を背負う。切り込み隊長としてきっちりツキと流れを呼び込んだ。吉井監督は「じゃんじゃん打って元気を出してくれたら。ロッテのラッキィ池田です」と、同姓の振付師にあやかったネーミングで笑わせた。

ライトという名前は、父真樹さんが社会人野球のNTT関東(現NTT東日本)で右翼手としてプレーし、都市対抗で右翼へ本塁打したことから名付けられた。1号は左。「次はライトに打てたら一番いいですけど難しいんで。どこでもいいです、ホームラン入れば」と笑った。【鎌田良美】

◆池田来翔(いけだ・らいと)1999年(平11)12月11日生まれ、千葉・八千代市出身。八千代台小6年時にロッテジュニアでプレー。習志野3年夏の千葉大会決勝では山下輝(現ヤクルト)の木更津総合に3-4で敗れ、甲子園出場なし。国士舘大を経て21年ドラフト2位でロッテ入団。今季はイースタン・リーグ25試合で88打数29安打(打率3割3分)、3本塁打だった。180センチ、95キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1200万円。

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