首位・富士大(岩手)が青森大に10-1で7回コールド勝ち。優勝「マジック1」が点灯した。松尾翼内野手(4年=作新学院)が逆転3点適時二塁打、中岡大河投手(4年=広島商)が1失点完投した。

2位の八戸学院大(青森)は、ノースアジア大(秋田)に7-3で勝利。2番手で救援登板した阿部流音(りゅうと)投手(1年=本荘)が5回無失点の好投。14日、八戸学院大の負け、もしくは富士大の勝利で富士大の2季ぶり38度目の優勝が決まる。

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松尾が富士大打線に火をつけた。0-1の3回1死満塁、安田慎太郎監督(38)から「ここで4年として打ってこい」と鼓舞され打席へ。カウント2-2から変化球をすくい上げ、中越えの3点適時二塁打。「僕のために練習を手伝ってくれた人が喜んでくれた」と両腕を突き上げた。スタメンただ1人の4年生に逆転打が飛び出し、山内琉聖内野手(3年=知念)の右越え2ランなどでこの回6得点。落とせない試合で早くも5点をリードした。

1回に先制点を許した中岡だったが、援護に奮起した。4回1死から連打を浴び、一、二塁のピンチも後続を飛球で切り抜け、以降3イニングは1安打投球。「点が入ってからは四球を出して無駄な進塁や塁に出すのをなしにした」と丁寧な投球を心がけ1失点完投。2季連続優勝を狙う相手に試合の流れを渡さなかった。

14日の第2戦は青森大に勝利するか、八戸学院大がノースアジア大に敗れた時点で優勝と全日本大学野球選手権(6月5日開幕、神宮、東京ドーム)出場が決まる。だが、油断は大敵だ。安田監督は「2連敗してプレーオフになると流れが悪いので油断、慢心がないように」と話し、殊勲打の松尾は「何が起きるか分からないので、勝てるための最善の準備をして備えたい」と気を引き締めた。選手権出場の切符を手にするまで、あと1勝。チーム一丸で戦う。【相沢孔志】

○…八戸学院大1年生右腕・阿部流が重圧に負けず、快投を演じた。2点差にされた4回無死二、三塁からマウンドに上がり、併殺打で2死三塁。最後は投直に抑え、追加点を与えなかった。以降4イニングは1安打無四死球で、勝利の呼び水となった。リーグ戦は残り2試合。逆転優勝の可能性があり「変に気負わないでとにかく1年生らしく。全力で投げていくことがプレースタイル」と意気込んだ。チームのために、どんな場面でも右腕を振っていく。