ヤマハ(浜松市)が、5年連続の本大会出場に王手を懸けた。西濃運輸(大垣市)に、延長10回タイブレークの末に2-1で勝利。4番網谷圭将外野手(25)がサヨナラ打を放ち、チームを勝利に導いた。第1代表決定戦は2日に愛知・岡崎レッドダイヤモンドスタジアムで行われ、トヨタ自動車(豊田市)と対戦する。

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ヤマハの4番網谷が、接戦に終止符を打った。1-1で突入した延長10回2死一、二塁の好機。打席では高ぶる気持ちを抑え、頭を冷静に保った。カウント3-1。8回に空振り三振を喫した相手投手の決め球・スライダーに照準を合わせた。「軌道も頭にあった。結果は考えず、自分のスイングをしようと」。真ん中高めに入った狙い球を捉え、右翼線に運んだ。

この日2安打目となる適時二塁打が、劇的なサヨナラ打となった。駆け寄る仲間にもみくちゃにされた背番号「5」。「4番としてここで試合を決めると。イメージ通り打てた。ホッとしています」と、歓喜の中心で勝利をかみしめた。

投手陣の奮闘がバットに乗った。先発左腕の九谷青孝(33)が、7回1失点と好投。2番手・水野匡貴(27=静岡高出)が2回を、3番手・波多野陽介(29)も1回を無失点とつないだ。打線は9回まで散発6安打の1得点。網谷は「野手が(点を)取り切れず苦しい試合にしてしまった。何とかしたかった」。ここ一番で「H」ランプをともし、役割を果たした。

チームは直近4大会で3度、予選無敗の第1代表として本大会に出場。網谷は「まだ次がある。(東海地区)1位の看板を背負って都市対抗に出たい」と話し、2日に迎えるトヨタ自動車との第1代表決定戦を見据えた。次も、快音を響かせる。【前田和哉】