秋季3連覇を狙う首位関大は、最速153キロ左腕の金丸夢斗投手(3年=神港橘)が延長10回6安打1失点で完投勝利を飾った。同点ソロを浴びた8回以外は毎回の17三振を奪い、131球でまとめた。

1-1の9回は無死満塁とサヨナラのピンチ。「絶対勝ち点を取らないと優勝には近づけない。自分の全力で投げていこう」。そう気持ちを高め、2者連続空振り三振と右飛で抜け出した。直後の10回1死に女房役の有馬諒主将(4年=近江)が三塁打を放ち、暴投で勝ち越し、決勝のホームを踏んだ。

試合後の金丸は目を赤らめ、仲間と喜びを分かち合った。グラウンド上で涙を流したのは高校以来だったという。誰よりもゆっくりと物事に向き合う姿から仲間から「マイペース」「速いのは球だけやな」とも呼ばれる。それでもマウンドに上がれば別人。来年のドラフト候補にも挙がる男が、中1日で快投して勝ち点を呼んだ。今秋で退任する早瀬万豊(かずとよ)監督(65)も「最高の形。さすが金丸ですよね。なかなかできることじゃない」と絶賛だった。【中島麗】