取材を続けてきたオリックス担当が知る、山本由伸とは-。

ドジャースは27日(日本時間28日)、オリックスからポスティング制度を利用して米移籍を目指していた山本由伸投手(25)と12年契約を結んだと発表。発表から3時間後、山本は入団会見に臨んだ。オリックス担当の磯綾乃記者が、山本の素顔を語った。

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「おはようございます!」。山本は球場入りの際、待っている記者1人1人の目を見てあいさつする。マウンドを降りた後は、ベンチの最前列で味方にエールを送る。

優勢でも、劣勢でも。

「どんな状況でも最後まで応援するのは当たり前のこと」

当たり前を当たり前に出来るから、愛されるし、強くなる。

山本が大切にしている練習の1つが、投手の基本でもある遠投だった。「僕は基礎というか、基本の練習しかしていないので」。試合前のグラウンドでは、1球1球、確かめるように大切にキャッチボールを行う。少しずつ、どんどんと距離を伸ばしていき、最後には左翼から右翼にいる相手まで。ボールは少しも失速することなく、きれいな軌道で届く。

「体が伸びていたりしたら軌道がずれたり、高くなったりする。ボールがシュートしていたらうまく伸びないんです」

基本の大切さを知り、おろそかにしないから、誰も知らない境地にたどり着いた。

チームメートが山本の技術に舌を巻くのはもちろんだが、口をそろえるのはその人間性。年上にも少し毒のあるジョークを飛ばしてからみながらも、敬語を大切にするなど、ある一線はしっかり守る。

絶妙な距離感。

先輩はかわいい後輩と思い、後輩は慕いたくなる。海を越えても、誰からも愛される人柄は、万国共通だと思う。【磯綾乃】