近未来のエースが、堂々たる投球を見せた。日本ハム達孝太投手(21)がロッテ戦(エスコンフィールド)で自己最多114球を投げ、6回2/3、5安打無失点で今季2勝目を挙げた。得意のフォークも要所で威力を発揮して8奪三振。ニュースター候補の躍動で単独首位のチームは貯金を再び7とした。
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近未来のエースの快投に、もう誰も驚かなくなった。今季3度目の先発となった達は当たり前のように初回からスコアボードにゼロを並べていった。3連戦初戦の先発は4年目で初めてとなったが、「意識してなかったです、そんな」と笑い飛ばした。NPBではエース級が投げることが多いカード頭だが、メジャー志向の21歳は「そうなんですか、へぇ~」。変なプレッシャーはなかった。
変な遠慮もない。今季は35歳の伏見とバッテリーを組んでいる。学年では13個上の大先輩からのサインにも臆せず首を振る。「バッテリーミーティングで山田コーチが『全然(伏見)寅威のサインに首振っていいからね』みたいな話をされるんですけど、寅威さんが『いや、こいつ平気で首振るんで』っていう掛け合いが毎回あります(笑い)」。自分を信じ切れるところが達の魅力でもある。
18日にも対戦したロッテ打線に、自信を持って投げていたフォークは不調だった。でも、崩れなかった。「落ち方的によくなかったけど、悪いなりに投げるところだけ意識して」と試合の要所でもしっかりと投げ切れた。
先制点をもらった直後の6回に無死二塁のピンチを背負ったが、友杉をフォークで空振り三振。藤原には初球でフォークをストライクゾーンに落としてから150キロ直球で見逃し三振。「自分でもあそこはギアを上げて三振を取りにいって取れたんで、よかった」と笑顔で振り返った。
前回対戦ではフォークが「45%ぐらいあった」。偏った数字でも7回無失点と好投できたのは「自分的には簡単なんで」とフォークを意図的に投げ分けられるから。「フォークは見逃されたら四球の確率が上がるので、ちゃんとゾーンに投げとかないと」。精度を欠いても、大事な意識はぶれないからこそ好投が続いている。
7回1死一、二塁でポランコを二ゴロに抑えたフォークで自己最多の114球に達して降板。「久々に疲れました」と苦笑いも、思い直して「『行けた』って書いといてください」とニヤリ。お立ち台では次回登板へ向けて「初完封してみたいっすね」と豪語した。再び投げ抹消されて次の登板機会を待つことになりそうだが、今度は最後まで力強くボールを握って投げ切る。【木下大輔】
▽日本ハム加藤投手コーチ(2勝目の達に)「テンポよく、四球なく、変化球でストライクが取れて、先頭打者を打ち取って、クイックもしっかりする。やるべきことがしっかりできて、非常に内容が良かった」



