2位日本ハムの“海賊打線”が開始早々の猛攻で快勝し、首位ソフトバンクとのゲーム差を2に縮めた。初回先頭から打者7人で5連打を含む6安打を放ってオリックス先発東松をKO。その後も攻撃の手を緩めることなく、21年9月11日以来4年ぶりの初回一挙6得点と爆発した。9日ソフトバンク戦で、折れたバットが左側頭部に直撃し、現在は経過観察のため入院中の八木裕打撃コーチ(60)を安心させる1勝となった。
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日本ハムの海賊打線が初回から火を噴いた。まず今季初の1番に入った野村が左前打で出塁すると、2番今川が右前打で無死一、二塁。3番レイエスの中越え適時二塁打で、あっさり先制した。さらに無死二、三塁で4番郡司も中前適時打で続き2点目。無死一、三塁、今度は5番清宮幸が右前打で3点目をたたき出すと、1死一、三塁で7番山県が左前適時打を放ち、4点目を加えた。
首位ソフトバンクとは2差に迫った。新庄監督は83年福岡国際マラソンで瀬古利彦がイカンガーにラストスパートで逆転して勝ったシーンを重ね「面白くなってきましたね。イカンガーが見えましたよ」と例えた。その上で「愉しむというレベルは超えた。後はプレッシャーを何とか勝ち取るという感じ」と、勝負のステージが一段階上がったことを示唆した。
9日ソフトバンク戦で、折れたバットが八木打撃コーチの側頭部を直撃。脳内の一部出血と腫れが確認されたため、1週間程度入院することが10日に球団から発表された。同日に見舞いに行った同監督は「元気そうでしたけど寝られなかったみたいで」と心配した。その上で「八木さんが『打撃コーチは誰を呼ぶんですか』と。僕は(2軍の横尾コーチと)分かってたけど(2軍の)佐藤君じゃなくて小田君じゃなくて…。『あっ横尾?』って言ったから大丈夫だと」。新庄流コミュニケーションで同コーチの意識を確認し、思い切って試合に臨んだ。
試合前のミーティングでは林ヘッドコーチが選手たちに「八木さんのために勝とう」と声をかけ、2試合連続スタメンの今川は試合前「八木さんに勝利を届けたい」と誓い、3回2死二塁で左翼線への適時二塁打を放つなど2戦連続の猛打賞と畳みかけた。スクランブル態勢でつかんだ大きな1勝を起爆剤にして、一気に首位の座をつかみにいく。【永野高輔】
◆瀬古VSイカンガー 83年12月4日、ロサンゼルス五輪選考会の福岡国際マラソンで、序盤はイカンガーが引っ張り、39キロ付近で抜け出す。その後は、後ろに付いていた瀬古とのマッチレースに。勝負はトラックに持ち込まれ残り100メートルで瀬古がスパート。イカンガーを振り切り2時間8分52秒で優勝した。その差は3秒。この他に2度同走したレースはいずれも五輪。84年ロサンゼルス大会は瀬古の14位に対し、イカンガーは6位、88年ソウル大会は9位と7位。いずれもイカンガーが先着した。瀬古は福岡国際で4度優勝し、そのうち3度をトラック勝負で制している。



