西武が交流戦初優勝をなしとげた。優勝の陰に隠れたものの、敵地甲子園での3連勝。時に100デシベルを優に超えるスタンドの圧倒的声量にも負けず、見事に接戦を制し続けた。

桑原将志外野手(32)いわく「9割9分5厘」が阪神ファン。正確には大観衆約4万2000人超のうち、束になって声を出せる「ビジター外野応援席」に座れた西武ファンは380人のみ。「9割9分9厘」が相手を推す束だった。

それでも西武ファンはチームと同じように強かった。3日の第1戦では、スタンド1区画のみの西武ファン380人の得点時の声援が隣駅まで届いた。

西口文也監督(53)は第2戦となった4日の試合前、「もうちょっと(ビジター応援席を)広げてくれたいいのにね…」と苦笑いしつつ「あの人数であんなにすごい声を出してくれて、本当にありがたいですよ」と言った。

普段はふざけながら言葉を発する時もあるのに、この時は心の底からにじみ出るように、しみじみと感謝を口にした。そしてニヤニヤ顔に変えて、添えた。

「あそこ行って、一緒に応援してくれば?」

かくして雨天順延での第3戦。担当記者として一応、西武ファンの応援は耳にこびりついている。監督の言葉を真に受けて、チケットサイトをのぞいた。

販売開始の数時間後、すでに完売だった。仮に東京からならば、宿泊や食費込みで安くても1人5万円あたりだろうか。わずか1試合のため、その時点では優勝決定戦になるとも分からないのに、西武ファンは即完売させていた。

優勝決定戦の多忙な業務ゆえ結局は記者席で試合を見届けたが、そもそも、ビジター外野応援席に私の座る余地などなかった。西口監督は交流戦優勝を決め、第一声で。

「ホームでもビジターでも皆さんの声援が本当に力になっていましたし、数多くの皆さんが応援に来てくださっているので。その前で勝てて良かったです」

何年前からか、声援は“青炎”と表現されている。甲子園でも青は熱かった。青に万雷の拍手を送る圧倒的な黄色もまた、尊かった。【金子真仁】