広島辰見鴻之介内野手(25)が日本球史にその名を刻んだ。9回1死一塁から二盗を成功させ、シーズン27個目の盗塁を決めた。代走では26盗塁となり、79年藤瀬(近鉄)が代走で記録したシーズン最多25盗塁(シーズン27盗塁)を抜いて歴代最多となった。

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代走でのシーズン最多盗塁数の記録を塗り替えた辰見鴻之介内野手(25)はアマチュア時代、野球の道を自ら断つつもりでいた。それでも再び、野球の道が開かれたきっかけは、名医との出会いでも奇跡の一打でもなく、大学受験の失敗だった。

一般入試で進学した香住丘(福岡)野球部での3年最後の夏は2回戦で敗退。不思議と野球に未練はなかった。「高校で野球はやめるつもりでした。英語の勉強が楽しくなったので、漠然と海外に興味を持っていたんです」。未練を断つ、といった大きな決断ではなく、本人の中では自然な流れだった。野球部引退後は受験勉強に専念。将来的な留学を視野に、外国語学部のある公立大学を目指した。

だが、猛勉強も実らず、第一志望だった公立大学を不合格となり、西南学院大への進学を決めた。「落ちちゃったし、西南なら野球しようかなって。西南の野球部は、特待生を集めるような部ではなかったので、気軽に入れるかなと」。仮に強豪であれば、やめる決断を変えなかったかもしれない。再び野球の道を歩み始めて4年後、プロの世界に足を踏み入れ、8年後にはプロ野球史に名を残した。人生とは分からないものだ。【広島担当=前原淳】

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