<オリックス6-7西武>◇6日◇京セラドーム大阪

 まさに起死回生とはこのことだ。西武が、あと1球から試合を引っ繰り返した。1点を追う9回2死二塁。カウント2-1と追い込まれながらも、ディー・ブラウン外野手(32)が逆転2ランを放った。懸案の「8回」で逆転を許し、敗色濃厚なムードをひと振りで吹き飛ばした。

 これぞ助っ人、というひと振りだった。西武のブラウンが敗戦まであと1球という「土俵際」から逆転2ランを放ってチームを救った。1点を追う9回2死二塁、カウントは2-1。仕留めたのは、直前に豪快に空振りしていた直球。148キロをフルスイングで右翼ポール際に運んだ打球は、そのまま切れることなく5階席に飛び込む140メートル弾となった。「打った瞬間は完ぺき。ちょっと外からフック気味に打ったので、切れないでくれと祈ったよ」と得意げに振り返った。

 リードしていた8回にセットアッパー長田が崩れて敗れた4日のロッテ戦で最後の打者だった。そしてこの日も3点リードの8回に藤田が打たれて逆転を許し、敗戦まであと1人で打席が回ってきた。「打席に入る前にまずロッテ戦をイメージしたよ。今回は走者をかえそうと思って、いい準備ができたんだ」と笑った。渡辺監督は「素晴らしいね。ホームランにできる球を1球で仕留める。それが彼の勝負強さだよ」と絶賛した。打率は2割4分台、得点圏打率が突出して高いわけでもない。それでもこの日を含めて9度の勝利打点を挙げているように、勝利に直結する場面で頼りになる。記録よりも記憶に残る打者だ。

 ロッカールームではチームメートから感謝の言葉を浴びせられた。「ヘイ、ディー!

 サンキュー!」。2試合連続で勝利の方程式が崩れた。敗れれば、ペナントの流れが変わっていたかもしれない。「9回で後がない場面だったからね。日本に来て打った18本のホームランでも最高の1本だよ」。値千金という言葉でも足りない大仕事を果たし、来日して一番の喜びに浸った。【亀山泰宏】

 [2010年7月7日8時49分

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