神様、奪首も頼みます!
阪神桧山進次郎外野手(41)に、同じアラフォーの虎番松井清員が迫った。6月に遠井吾郎氏の球団代打安打記録(108本)を抜き、現在111安打と記録を更新中だ。7月1日で41歳になったが、勝負強い打撃は衰え知らず。チームは首位巨人に0・5ゲーム差まで迫り、13日から甲子園で3連戦。約2カ月ぶりの首位奪回&キープへ、神様の打棒は欠かせない。
松井
1日で41歳。「おめでとう」でいいのかな?
桧山
41にもなってうれしないやろ、とか言われるけど、僕はうれしいですよ。いくつになっても祝ってもらえるんで。年齢を感じることもないですしね。
松井
それは頼もしい。家族にも盛大にお祝いを?
桧山
ナイター明けで朝、起きたら子どもたちはいませんでした。学校に行く前に「おめでとうを言いたい」と言ったらしいんですが、「起こしたらダメ」って嫁さんが止めたみたい。でもその夜、ナイターから帰ったら頑張って起きてて、「パパ、おめでとう」って言ってから寝てました。事前にパーティーもしてもらったけど、どうしても当日言いたかったみたいで。
松井
首位巨人に0・5差に迫って13日から直接対決。4カード連続勝ち越しでムードは良さそうだ。
桧山
これから暑くなってくると投手がキツくなってくる。野手の立場としては少しでも楽にしてあげたい。みんなで踏ん張って、いかに1戦1戦をモノにしていくか。助け合いが大事だと思います。
松井
個人的にはどのあたりに目標を置いて戦う?
桧山
今は2位のいい位置にいるけど、この緊張感ある試合を最後まで続けていきたい。そして最後まで自分もその中にいれるようにね。でもいるだけではアカン。いて、いい結果を出せるようにしたい。でないと面白くないですからね。
松井
開幕戦は代打の代打を告げられて始まった。
桧山
忘れないですね。というより忘れたらアカン部分やと思います。特に開幕戦でしたからね。(首脳陣への)批判でも何でもない。あれを悔しいと思わなくなったら、ユニホームを脱ぐ時ですね。今後の野球人生においても悔しいことは絶対忘れたらアカン。そして感傷じゃなく、その経験を今後に生かさないと。
松井
いい意味で頑張りの糧になっている。
桧山
どう感じるかで、人生は全然違うと思うんです。たとえば代打を告げられた選手は仕方ないですますのか。2度と代打を送られない選手にならなアカンと思うか。交代を告げられた投手も同じだと思います。そうならないために、じゃあどうする?
が大事だと思うんです。僕にとって開幕戦は、ステップアップするためのシチュエーションだったと思っています。
松井
代打では遠井吾郎さんの球団記録を抜いて更新中。極めた感もある。
桧山
いや、それはいつまでたっても無理ですね。野球は打って走って守ってのスポーツ。先発の時は打順も決まってるし、その3拍子でリズムができる。でも代打にはリズムがない。それが一番の問題ですね。
松井
歴代神様に助言を求めたり工夫している。
桧山
川藤さんや八木さんに話を聞きました。代打は1球勝負。だから打撃練習でも初球から、本番の試合と思って真剣勝負で打ちにいくのもその1つです。真っすぐだけでなく、変化球を混ぜたミックスで打ったり、あとは口に出して言ったりもしますね。「1死一、二塁」、「2死満塁」とか。実際の試合で想定される場面です。先輩のやってきたことを思い出しながら日々ベストを探しています。
[2010年7月13日11時43分
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