<西武4-4ソフトバンク>◇5日◇西武ドーム

 あの有名なパチンコチェーンとは一切関係ありません-。勝ちきれなかった西武にあって“パチンコ助っ人”?

 がいきなりのフィーバーだ。新外国人ライアン・マルハーン外野手(30)が初打席初アーチの離れ業を演じた。2軍戦4試合の調整を経て1軍合流即スタメン。2回1死、左翼ポール際に突き刺して初日を飾ったが「シャープなスイングを心掛けた。(初打席初本塁打は)日本では大きなことなのか?」とクールに振り返った。

 第2打席は左前打。2安打1四球と猛打賞にはリーチ止まりだったが、上々のデビュー戦に渡辺監督は「最高のスタート。あとは相手が研究してくるからこれからだと思う」と合格点をつけた。本人は「(多投される)変化球にこれからアジャストしていかないと」と浮かれる様子はない。

 米国では「マル」ではなく「モル」と発音されるらしいが、景気の良さそうな名前は日本人にはインパクト十分。練習後に寮での食事中も、球宴のテレビ中継を食い入るように見つめて異国の投手を研究するなど、素顔は超真面目だ。さらに土井ヘッド兼打撃コーチがひと目見て「(阪神)マートンに似ている」と評した広角打法。ひげをたくわえた風貌もどことなく似ている、かもしれない。

 大学代表チームとして来日経験があり、マイナー時代はヤンキース傘下の井川と何度も対戦。昨季は独立リーグで仁志敏久氏(39)と同じチーム。「たくさんの知り合いが日本野球を愛している。だから日本でやろうと思ったんだ」。ハートは熱い。最下位西武に“確変”ならぬ“変革”を起こしてくれそうな雰囲気を持っている。【亀山泰宏】