キューバ政府は27日、野球を含むスポーツ選手の国外プロ活動を認めると発表した。この日までにラウル・カストロ国家評議会議長(82)の承認を得て、政府機関紙などに掲載された。国技の野球を中心に新たな外貨獲得の手段として、代表クラスを日本を含む世界の主要リーグに派遣する。

 同国は59年のキューバ革命から共産主義に転じ、61年からプロ活動を禁止。90年代に中日でプレーしたリナレス内野手らの一部特例を除き、自国内でしか競技活動を許さなかった。だが近年は五輪のメダル候補だったバレーボール、ボクシングなどの競技力が低下し、国技の野球では亡命者が続出。今春のWBC代表だけで4人がメジャー入りを目指して亡命した。

 すでに野球では今夏から実験的な試みで、主砲のデスパイネ外野手をメキシカンリーグでプレーさせている。今後は日本などにも派遣ネットワークを広げたい方針。ただ国交を断絶し、米政府も同国との商取引を禁じているメジャー進出については、まだ不透明な部分が多いという。