<SMBC日本シリーズ:阪神6-2ソフトバンク>◇第1戦◇25日◇甲子園

 ソフトバンクはスタンリッジで初戦を落とした。「いつも以上に大歓声で満員だったが、(阪神の)応援に元気が出るのは自分が打たれているということ」。4回2/3を6失点。昨年までは味方だった虎党を喜ばせてしまったのだから、笑えない。1年を通して5回を持たなかったのは2度。1度は危険球退場だから、大誤算の投球がここで出た。

 前日に「ゴメスが加入したことが大きい」と警戒した相手4番に屈した。4回1死二塁。初球に内角を狙った直球がやや中に入り、適時二塁打で先制された。「あの球はいい球だった」と相手に敬意を表したが、この残像を引っ張った。

 5回に2四球が絡んだ2死満塁。先制打を浴びたゴメスに3球目の外角スライダーを打たれ、マートンにも外角スライダーを踏み込まれ、連続適時打。5点差となった。両助っ人に1球も内角はなく、外寄りの変化球主体の攻め口だった。「確かにマートンには甘かった。カットボールばかり投げると相手も狙ってくる。次は考えないと」と配球を反省した。「ゴメスに打たれてから内角はいかなかったが、投げ切れてないというわけでなく、そういう配球」と言ったが、先制打が尾を引いたようだった。

 昨オフ。打てない阪神のチーム事情もあって1軍外国人枠の関係で泣く泣く契約を切られ、阪神には多くの抗議が届いたという。編成事情がもたらしたとはいえ、今季加入したゴメスに3打点とやられたのは因果な巡り合わせ。秋山幸二監督(52)は「もう1回、明日明日、1つ1つ」と話した。【押谷謙爾】