12球団契約1号だ。広島7位指名の徳島インディゴソックス・弦本悠希投手(21=大商大中退)が5日、徳島市内のホテルで指名あいさつを受け、契約金1500万円、年俸450万円(金額は推定)で正式契約を結んだ。仮契約を経ないのは超異例で、背番号「69」も内定した。

 弦本が12球団のトップを切って、正式契約を結んだ。川端編成グループ長と白武スカウトの指名あいさつを受けると、そのまま交渉に入り、約30分後には契約書にサインして入団が決まった。事前に契約内容等についても知らされていた。契約金1500万円、年俸450万円。大学の練習に飽き足らず退学してまでプロを目指した弦本に異存はなかった。

 通常、ドラフト指名された選手の入団は<1>指名あいさつを受け<2>仮契約を結び<3>入団会見前に統一契約書にサインする、という流れが一般的。それぞれ日をあらためるのが通例だが、今回はすべてを一気に行った。プロで1日でも早く活躍したいという弦本の強い意欲の表れ。最速147キロ右腕は笑顔を見せ、あこがれの選手に前田健を挙げた。

 「(契約書にサインして)やっとプロになった実感がわいてきました。前田さんが目標です。子どものころからずっと輝いていた方なので、目標にしたい」

 弦本は中学時代、ボーイズリーグの高石ボーイズでプレー。同じ大阪の忠岡ボーイズに、1学年上の前田健がいた。直接投げ合ったことはないが、練習試合などでプレーを見る機会は多かった。

 四国九州アイランドリーグの徳島で、今季は抑えとして活躍した。プロでも中継ぎ、抑えを希望する。

 「緊張した場面で投げられるのはやりがいがある。前田さんをリリーフしたい?

 できればそうしたい。投げて抑えたいですね」。

 広島OBでもある徳島の白石ゼネラルマネジャーは「まだ力任せのところはあるが、150キロは出せると思う。低めの球がもうひと伸びすれば十分通用する」と期待する。

 プロへの第1歩を踏み出した弦本は「タイトルを取ってみたい。抑えならセーブとか」と話した。夢を現実にする第1歩を、踏み出した。【高垣誠】