入団後に投手と野手の“二刀流”に挑戦する日本ハムのドラフト1位、花巻東の大谷翔平投手(18)が、まずは「投手」として支配下選手に登録されることが20日、分かった。即戦力としては、現段階で投手としてよりも打者として評価が高いが、本人の強い希望を尊重。球団側も、まずは投手として大成できるよう育成していく方針で「投手・大谷」として、プロ1年目のスタートを切ることになった。

 投手か、それとも野手か-。まずは「投手・大谷」として、プロの第1歩を刻む。“二刀流”挑戦で注目される日本ハムのドラフト1位大谷が、ポジション「投手」として支配下選手登録されることになった。

 メジャーからは投手として高く評価された大谷だが、国内球団からは、どちらかというと現段階では投手としてよりも打者として、評価が高かった。ドラフト指名時に栗山監督が「一番いい投手で、一番いい打者」と評したように、どちらに重きを置いてプロ生活をスタートするのか曖昧な部分もあったが、大谷本人の思いを尊重。1年目は投手としての育成に重点を置き、プロの世界で勝負させる方針を固めた。

 今季終了後、右翼の名手として知られていた稲葉のポジション登録が外野手から内野手に変更になったように、プロの世界では、選手登録のポジション変更はたびたび行われる。入団当初、内野手で登録された陽岱鋼や、投手だった糸井も、ポジション転向に伴い選手登録を外野手に変更。野手などは複数ポジションを守ることから、あまり注目を浴びない選手登録のポジションだが、そのポジションへ懸ける選手の思いが詰まっているケースも多い。

 1月中旬の新人合同自主トレから、プロ生活をスタートする大谷。高校通算56本塁打の打撃もさることながら、優先すべきは投手としての能力開花。高校時代に最速160キロをマークした豪腕が、どこまでその才能を伸ばすか注目だ。