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満塁本塁打を放った李晋映(中央）らを出迎える韓国ベンチは大はしゃぎ

＜ＷＢＣ・第１ラウンド：韓国９－０台湾＞◇６日◇Ａ組◇１回戦◇東京ドーム

　韓国強え～。ＷＢＣ第１ラウンドの韓国－台湾は、韓国打線が爆発、２発１０安打９点で台湾に完勝した。初回に李晋映（イ・ジンヨン）外野手（２８＝ＬＧ）の満塁本塁打などで６点を奪い、６回にも鄭根宇（チョン・グンウ）二塁手（２６＝ＳＫ）の２点本塁打などで圧倒。先発柳賢振（リュ・ヒョンジン）投手（２１＝ハンファ）も中１日での登板が可能となる５０球以内で交代し、４投手継投で完封勝ちした。７日に対戦する日本に威圧感を与える勝ち方だった。

　どでかい１発が韓国に勢いをつけた。１回裏、無死満塁から４番金泰均が先制２点適時打。なおも１死満塁で７番の李晋映が右中間スタンド上段に満塁本塁打をたたき込んだ。「緊張していたけど、勝ちたいという気持ちが強かった」。北京五輪の日本戦でも藤川から適時打を放った“国民的右翼手”は、興奮を抑えきれなかった。一挙６点、台湾の戦意をくじき、早くも試合を決めた。

　前日の日本とは対照的な点の取り方だった。相手から四死球などでチャンスをもらったところまでは同じだったが、ここぞという場面で大事な一打が生まれた。「最初の得点機で点を入れて楽になった」と金寅植監督（６１）は振り返った。５回無死一、二塁では体重１００キロの大砲・李大浩が、しぶとく二塁内野安打で追加点。６回には国内リーグで昨季わずか８本塁打の鄭根宇が、左中間に２ランを打ち込んだ。

　李大浩は７回にも二塁打を放ち「気持ちよく打てて楽しかった」と喜んだ。来日してからの強化試合では当たりが止まっていたが２安打１打点。チームは１０安打９点。目覚めてしまった。

　７日は日本と激突する。金監督は「打順は台湾戦とそんなに変わらないと思う。特別なことはない。最善を尽くすだけ」と冷静を装った。しかし心の中は違うはずだ。「日本戦になると韓国の選手は気持ちが強くなる。彼らの精神力を信じたい」と強い気持ちを見せた。

　日本のエース松坂に立ち向かうことになる。金監督は「韓国でもメジャー中継があるので最近もよく目にする。００年シドニー五輪で彼を初めて見たが、あのときより変化球の割合が多くなっていると思う」と話した。

　北京五輪から続く日本戦の連勝を３に伸ばせるか。殊勲の李晋映は「大事な試合だということは十分わかっている。選手が一丸となって頑張る」とスタンドのファンに手を振った。「アジア頂上決戦」第１ラウンドが、幕を開ける。【高宮憲治】

　［2009年3月7日9時39分　紙面から］

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