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東京ドームの外野で杉内（右）と談笑する松坂（撮影・浅見桂子）

　第１ラウンドを突破したＷＢＣ日本代表のエース松坂大輔投手（２８＝レッドソックス）が第２ラウンド初戦（米サンディエゴ）の１５日（日本時間１６日）に先発することが８日、濃厚になった。米国の環境面を熟知していることが決め手になった。７日の韓国戦では４回２失点で降板したが、次回は雪辱のマウンド。強豪キューバかダークホースのメキシコ戦が予想される“開幕戦”を任される。

　松坂が舞台を米国へ移した第２ラウンドの“開幕投手”を務める。第１ラウンド突破を決めた韓国戦登板から一夜明けたこの日、松坂は東京ドームでの練習に参加。ランニングと球拾いをして引き揚げた。７日の韓国戦は先発で４回２失点。不本意ながら粘りの投球で勝利に貢献したが、すでに視線は次回登板に向けられていた。

　松坂は「いつ投げるのか、どこでどのくらい投げるのか、大まかなことは聞いています。向こうに行って時差もあるし、体調もあるから現時点での話です」と打ち明けた。米国では西海岸特有の乾燥した気候の影響で、微妙にボールの球筋が変わることがある。そんな変化にも、レッドソックスの２シーズンで通算３３勝を挙げている松坂は、すぐに対応できる。

　しかも松坂は第２ラウンド会場（サンディエゴ）となるパドレスの本拠ペトコパークの相性は抜群だ。０６年の前回ＷＢＣ決勝キューバ戦では勝利投手。０７年パドレス戦では“投げる精密機械”と称されたグレッグ・マダックス投手と投げ合い、６回１失点で勝利投手になった実績がある。松坂の現地情報を元に急きょ防寒用ウインドブレーカーを発注するなど、環境面を熟知することが初戦先発の決め手になった。

　第２ラウンド初戦で対決するのはキューバ、メキシコの可能性が大だ。いずれも強豪だが、山田投手コーチは「大輔は日本のエースだ。そう簡単に崩れない。ブルペンにいても、常にいろんなことを考えながら投げているのはさすが。これから向こうにいけば、さらにボールの精度は高まるはずだ」と全幅の信頼を置いている。

　この日、第１ラウンドＤ組で優勝候補のドミニカ共和国がオランダに敗れたことに対し、松坂は「驚きません。（世界大会は）何が起こるかわからないですから。いくら打線が強力だといっても、打てないときもあります。反面教師にしたいと思っています」と冷静に話した。エースが米国で先陣を切って、連覇へ勢いをつける。【寺尾博和】

　［2009年3月9日9時45分　紙面から］

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