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復刻:イチロー目覚めた韓国にコールド

日本、韓国に歴史的コールド勝ち!
日本、韓国に歴史的コールド勝ち!

<WBC・第1ラウンド:日本14-2韓国(7回コールド)>◇7日◇A組◇2回戦◇東京ドーム

 サムライジャパンが世界一番乗りで、2大会連続で第2ラウンド(米国)進出を決めた。日本代表は韓国代表に14-2(7回コールド)と圧勝。不振だった1番のイチロー外野手(35=マリナーズ)が相手左腕エース金広鉉(20=SK)攻略の突破口を開くなど3安打と復調、14安打14得点と爆発した打線を引っ張った。北京五輪金メダルの宿敵に歴史的な大勝で、世界一連覇の第1関門を突破。9日には敗者復活2回戦の韓国-中国の勝者と第1ラウンドA組の1、2位決定戦(東京ドーム)に臨む。

 猛烈なカメラのフラッシュの後に、スタンディングオベーションが起きた。不振を極めたイチローがついに目覚め、ジャパン打線の猛爆を生んだ。初回、先頭でカウント1-0から、韓国の左腕エース金広鉉の低めカーブを右前へはじき返した。北京五輪で2度も苦汁をなめさせられた相手攻略の先陣を切って、3連打で一気に先制ホームを踏んだ。プレーボールから、わずか3分後だった。眠れる男が呪縛から解き放たれ、一挙3点先制の勢いをつくった。

 イチロー そうですね、(ヒットが)懐かしいなという感じがしました。

 5日開幕戦の中国戦では5打数無安打。実戦では2月25日対オーストラリア戦以来、実に17打席ぶりの安打だった。第1ラウンド突破のカギは、北京五輪で2敗を喫した相手エースの攻略だった。イチローのスランプ脱出は、勝利への絶対条件だった。

 3年前のWBC2次リーグで韓国に敗れ、ベンチで叫んで「野球人生で最も屈辱的な日」と口にした因縁の相手で、心技体をシンクロさせた。2回には無死一、二塁から、初球を三塁前へ絶妙のセフティーバントを決め、満塁のチャンスに広げた。

 イチロー (三塁手の体が)大きいですからね、あのサイズのサードは見たことない。アウトになっても(走者が)進むことは間違いないわけですからね。それが優先でした。

 この回、村田の3ランが飛び出すなど一挙5得点のビッグイニング。序盤、攻撃のテンポをつくったのはイチローだった。ここまで不調が続き、オリックス時代からイチローを知る山田投手コーチは「あんな負けず嫌いの男が、悔しくないはずがないじゃないか。本当は大声で叫びたい心境でいる自分をあえて抑えているんだろう」と見ていた。間接的にWBC日本代表相談役でもある“世界の王貞治”から「ちょっと打つまでの時間がとれていないんじゃないか?」というアドバイスをもらった。

 その効果か、3安打猛打賞で1盗塁、3得点。14安打14得点と爆発した打線を引っ張って、ライバルに歴史的な大勝だ。

 イチロー 今日(第2ラウンド進出を)決めたかった。紙一重でしょうね。とりあえずアメリカでゲームできるってことになっただけですから。

 試合後、ベンチ裏でドーピング検査を受けた。しばらくして出てきたイチローの口調は、明らかに吹っ切れた様子だった。「いやぁ~」とため息をついたが、「(2戦)続けてドラッグテストはないですよね。今日も途中でトイレに行かなくて良かったなあ」と笑いを誘った。世界連覇へ。イチローが復活すれば、サムライジャパンに怖いものはない。【寺尾博和】

(3月8日付日刊スポーツ)

 [2009年3月24日15時54分 紙面から]

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