IBF世界ライトフライ級王者タノンサック・シムシー(26=タイ/グリーンツダ)が2度目の防衛に成功した。同級12位の前東洋太平洋同級王者マーク・ビセレス(30=駿河男児)の挑戦を受け、2回2分5秒、TKO勝利を収めた。

鋭いジャブから組み立てた王者は2回、右ストレートでダウンを奪うと、立ち上がった挑戦者にワンツーをヒットさせてダウンを追加。さらに連打を浴びせたところでレフェリーストップとなった。

今年4月のセルジオ・メンドーサ(メキシコ)との初防衛戦で2回KO勝利。2戦連続で序盤に挑戦者を仕留めたタノンサックは「今の気持ちはうれしい。この勝利はみんなのおかげ。今日は初めてタイでも放送された。父と母が今回の試合を見てくれている」と率直な心境を口にした。

挑戦者の所属先となる駿河男児ジムの拠点、静岡開催のV2戦だった。アウェーとなったものの「今回は大阪と静岡の対決だった。静岡で試合できることに感謝している。ジムでもたくさん練習した。初防衛戦か2~3週間休んだだけですぐに練習再開していたから」と満足げだ。

プロモートを担当するグリーンツダジムの本吉昌也会長は「自分のためというのがあるが、日本で挑むのは家族のために戦っている。誰かのために戦う気持ちが強いのがタノンサック。それを見せてくれた」と解説。V2王者の強さの原動力を明かした。

タノンサックの家族は母国タイで農家を営んでいる。月収は日本円で1万円ほどとされ、7人家族のために生活が厳しい。家族の生活を楽にするためにプロボクサーとなった。24年には両親のために家も購入。今回のファイトマネーは妹の高校進学のために活用するそうだ。

現在、タイの世界王者はタノンサックのみ。実家の農業も手伝っている世界王者が圧倒的な強さを示した。

なお同階級の日本勢にはWBC王者岩田翔吉(帝拳)、WBA正規王者吉良大弥(志成)がいる。