東三段目10枚目の勇輝(33=陸奥)の仕事ぶりには頭が下がる。新大関霧島の付け人として支度部屋で胸を出し、結びの一番が近づくと弓取り式の準備にかかる。本来担当する聡ノ富士が休場のため10日目からの“緊急登板”だが、華麗な弓さばきで大役を務め上げている。自身の取組ではこの日、252キロの出羽ノ城との1分30秒を超える熱戦を制した。息も絶え絶えになりながら4勝目を挙げ「うれしいです」と喜んだ。

あまりの多忙ぶりにも全く音を上げる様子はない。「昔からなんでもやりたがりなんです」と笑う。弓取りについても自ら手を挙げ、昨年1月の元豪栄道の武隈親方の引退相撲で初めて務めた。「ちょっとやったらできるようになるかと思ったら、マメができるくらいでした」。親指、人さし指、中指の3本を使って回すよう心掛け、1度つかんだコツは忘れない。

何事にも積極的に取り組む姿は周囲からも好感を持たれている。親方衆からは「お前は本当に相撲を楽しんでいるな」と感心された。「自分でも自分のこと変わっていると思います」と嫌いではない。どんな時でも頼りがいのある兄弟子で居続ける。【平山連】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)