横綱照ノ富士(33=伊勢ケ浜)が現役引退を発表し、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)同席で、両国国技館で会見した。今後は伊勢ケ浜部屋の部屋付きで「照ノ富士親方」として、後進の指導にあたる。
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華麗なる「同期会」が照ノ富士を支えた。大相撲の横綱照ノ富士(生まれ=91年11月29日)、柔道で五輪2連覇の大野将平(同=92年2月3日)、そしてボクシングで世界2階級制覇の亀田和毅(同=91年7月12日)。各競技の頂点を極めた男たちが「同世代」の共通点で強烈に結びついた。
定期的な食事などの会合で刺激し合った。横綱照ノ富士の引退表明。和毅は「ついに」と捉える。「昨年、会った時に『来年には引退だな』と話していた。ずっと糖尿病があったから動いても痛いの繰り返し。何回、手術しても同じだった。ちゃんとした稽古はできなかったはず。それでも横綱としての責任をまっとうする思いで立派に務めた。限界はとうに超えていたはず。ほんまにここまでめちゃ頑張ったと思うよ」。
両膝の負傷や内臓疾患で番付を序二段まで下げた時に「辞めたい」思いを和毅に伝えたことがある。和毅は「まだやれるやん。頑張らなあかんやろ」とトレーナーの秀島正芳氏を紹介した経緯があった。「むちゃくちゃ厳しいで」。その指導に耐えたからこそ、序二段から横綱というミラクルな復活劇を成し遂げた。
同期でラスト現役の和毅は、年内に3階級制覇の世界挑戦が計画される。世界の頂点を極めた同期の絆は太く変わらない。和毅は「落ち着いたら照、大野と『お疲れ会』やりたいな」。“世界一”の絆が満身創痍(そうい)の横綱を支えた。【実藤健一】


