昨年12月にタイでWBAアジアミニマム級王座を獲得した加納陸(17=大成)が、国内プロデビュー戦を勝利で飾った。

 インドネシアのライトフライ級8位マリホット・フタジュル(23)を3回1分30秒、KOで下した。鮮やかな左ストレートで相手を倒した加納は「うれしい。楽しんでできた」と笑顔を見せた。

 ジム同僚で同じ17歳のプロボクサーだった服部海斗さんが、2月24日に慢性骨髄性白血病で死去。この日は、遺影に向かって「行ってくるで」と奮闘を誓ってリングに向かっていた。「海斗にいい報告がしたかった」と、無事に大仕事を終えてホッとひと息ついた。

 中学時代に15歳以下の47・5キロ級で全国優勝したが、高校には進学せずに13年にフィリピンでプロ生活をスタート。その後もアジアを転戦し、この試合前までに7戦5勝1敗1分けの成績を残していた。

 今後の目標には、18歳9カ月10日でWBC世界ミニマム級王座を獲得した井岡弘樹の国内最年少世界王者記録更新を掲げている。「世界はまだまだ遠い。1試合1試合しっかりやっていくのが、自分のスタイル。1試合ずつ勝っていけば、上も見えてくると思う」。記録更新には16年8月までに世界王者になる必要がある。陣営は次戦を9月に、次々戦を12月に予定。目の前の敵を1人1人倒して、夢に近づくつもりだ。