13年に亡くなった大相撲の横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力(49)の長男納谷幸男(22)が4日、都内のリアルジャパンプロレスで会見を開き、9月14日の東京・後楽園大会でプロレスデビュー戦を行うと発表した。

 納谷は会見後、囲み取材に応じた。その中で、祖父の納谷幸喜さん(享年72)から生前かけられた「謙虚になれ」という言葉を胸に、プロレス界の大海原を真っすぐ進んでいくと宣言した。主な一問一答は、以下の通り

 -これまでの格闘技歴は

 納谷 相撲は中学から高校までやりました。高校1年生で相撲部をやめて、2年から少しだけキックボクシングのジムに行っていました。2013年3月にリアルジャパンプロレスに入門しました。

 -体調を崩したのはいつ

 納谷 2015年…僕が21歳になる少し前です。もの(病気)自体は、悪化すると悪いものだった。僕は早い段階で見つけてもらったので、命に別条はありません。(療養期間は)約1年とちょっとです。

 -格闘技ができない不安はあった?

 納谷 不安は…ありましたね。入院して、2週間くらい全く食べられなかった時や、手術した時もあったので10キロくらい体重が落ちました。

 -デビュー戦は、得意のキックを武器に戦う?

 納谷 自分の持っているものを全部出していきたいですね。

 -佐山サトルさんはファイブストーリーズホールド、アルバトロスという必殺技を教えると語った

 納谷 まだ、何も…。僕も今、初めて聞きました(笑い)

 -弟さん(埼玉栄高主将として、全国高校相撲選手権大会初出場中の幸之介さん)が相撲で頑張っている

 納谷 頑張っていますね。もちろん気になります。母親から情報は教えてもらっています。頑張ってもらいたいです。僕ができなかったこと、やらなかったことを、やってもらっているという気持ちはあるんで、応援して頑張ってもらいたい。

 -母はデビューにあたって何と言っている? 体の心配をしているのでは?

 納谷 自分で選んだ道なんだから…とは言われますね。心配はしていると思います。

 -最大の目標は

 納谷 もちろん…今は大鵬の孫、貴闘力の息子として、自分は名前を出してもらっている状況なので、プロレスラーの納谷幸男メインで言ってもらえる選手になっていきたいですね。親とか関係なく、自分を評価される選手になっていきたい。

 -プロレスは自分にとって、どういうもの?

 納谷 本当に大変な、大変なことだと思います。近くで4年間、見ているからこそ、大変なことだなと。

 -お父さんから激励は?

 納谷 まだまだ、ないですね。自分もまだ知らせていないので。記者会見で発表してもらって連絡しようと思った。(練習の報告は)全く、別の競技、格闘技をやっているので全くしない。

 -祖父に伝えたいことは?

 納谷 いやぁ…ようやくデビューできます、という報告はしますね。お墓に、しに行きたいと思います。多分「ちゃんとやれよ」、「一生懸命、やれ」と言われると思います。

 -それが、祖父の言葉で一番、印象に残っている言葉か?

 納谷 やっぱり、一番、印象に残っている、言われてきたことは「謙虚になれ」ということ。それが今、大人になって一番、言われて、大事な言葉だったんだなと思います。もちろん、自分の中で謙虚にやっていこうというのが気持ちの中にあります。

 -プロレスラーで謙虚にやるというのは難しいのでは?

 納谷 難しいことだと思います。気持ちの中では、ずっと謙虚ということですね。

 -デビューを前にワクワク感がある? 不安は?

 納谷 不安はないですね…ワクワク感も。身が引き締まる思いですね。

 納谷は会見はもちろん、囲んだ記者の質問に1つ1つ丁寧に答えた。プロとしての第1歩を踏み出した場で、早速、祖父の精神を実行した。【村上幸将】