正規王者有川稔男(32=川島)が王座統一でV2に成功した。

 3年前にKO負けした暫定王者坂本大輔(36=角海老宝石)との再戦。

 初回から右ストレートをクリーンヒットさせ、何度もぐらつかせた。5回にも右ストレートを見舞って左まぶたをカットさせ、傷も深くレフェリーストップ。5回1分42秒TKOで雪辱した。

 初回から右がさく裂し、ダウンを奪った。これはスリップと判定されたが、パンチ力の差で時間の問題とも言えた。5回にも打ち込むと坂本の左まぶたから血が噴き出した。「切り裂く感じ。今までで一番の出血量だった」と一瞬動きを止めてドクターチェックをアピール。直後にチェックが入ってTKO勝ちとなった。

 坂本とは当初4月に対戦予定も、有川がスパーでアゴを骨折して延期になった。これを受けて坂本が暫定王座についていた。14年には1回KO負けしたが、初防衛戦からこの1年間、坂本のことだけを研究してきた成果を見せた。過去4敗も、すでに引退した1人を除く3人にきっちり雪辱を果たした。「思ったより出てこず、距離が遠かった。2、3回は強引にいったが、あとは焦らずにいった」。拳を横にして上から打ち込むように改造した左フックも有効だった。

 次戦は指名挑戦で矢田良太(グリーンツダ)との防衛戦となる。川島会長は「吸収力があり、進化が早い。今回はすごいと思った」とベタほめした。さらに「すべて借りは返した。その後は東洋や世界ランカーとやらせたい」と先を見据える。

 過去に何度も拳も痛めた経験もあるが鉄骨をたたいて強化し、「拳はもう大丈夫。最近鉄骨が柔らなくなった気がする」とまで言った。「どこもケガなく終われたのが一番。時を置かずに進みたい」と、来年はステップアップを期した。