怒れる王者がほえた。メインに登場したIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、1月4日の東京ドーム大会で相まみえる内藤哲也(35)をKOに追い込んだ。

 YOSHI-HASHIと組んだ試合では、内藤の相棒の高橋にジャーマンスープレックスを食らう場面もあったが、最後はコブラクラッチホールドでその高橋を絞め上げてギブアップを奪取。試合中に目をつり上げて攻め立てる様子は鬼気迫るものがあったが、この日のハイライトはここからだった。

 プロレス大賞2年連続MVPを決めたばかりの内藤とゴング後にリングで向き合うと、一気にヒートアップ。エルボー合戦の後にデスティーノを狙った内藤をツームストンパイルドライバーで切り返し、最後はレインメーカーで沈めた。そして、内藤を踏みつけながらマイクを持つと、歓声とブーイングを浴びながら、挑発した。

 「内藤さん、焦らないならそれでいいよ。勝手にしてくれ! 主役だろうと、MVPだろうと、そんなもんはくれてやる。チャンピオンはこのオレだ! そして東京ドームのメインイベントもオレの舞台だ。お前は手ぶらで帰れ、この野郎!」

 「ロス・インゴベルナブレ・デ・ハポン」をけん引する圧倒的な内藤人気に対し、王者の存在感を知らしめるゴング後のKO劇。東京ドームのおひざ元にある会場で、その怒りの炎が燃えたぎった。