日本が生んだボクサー史上最高峰のビッグマッチが実現する。3階級王者ホルヘ・リナレス(32=帝拳)と、五輪2連覇で世界最速7戦目で2階級制覇したワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)が5月12日に対戦する。14日、帝拳ジムの本田明彦会長(70)が明かした。国内ジム所属選手では過去最大級の世界戦。会場は「ボクシングの殿堂」米ニューヨークのマディソンスクエアガーデンで、今年最注目の一戦となる。

 WBA世界ライト級王座の4度目の防衛戦となるリナレスには念願の試合となる。近年は敵地での熱戦を重ね、評価を得た。17歳でベネズエラから単身来日し、技術を培い、一世一代の大勝負にたどり着いた。

 ロマチェンコは米スポーツ専門局ESPNのパウンド・フォー・パウンド(全階級通じての最強選手)で1位に君臨。「ハイテク(高性能)」の異名を取る技術で、直近4試合で相手を棄権に追い込んだ。1階級上げ、世界最速の12戦目での3階級制覇をかける。

 千葉県成田市で合宿中のリナレスは「決まって良かった。何年も前から僕はやりたかった。絶対負けない!」とコメント。世界最強の男を倒すため、準備を進めていく。【阿部健吾】