3階級制覇を狙うボクシングの前WBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(25=大橋)が、WBA世界バンタム級王者ジェイミー・マクドネル(英国)を想定した練習相手との初スパーリングで派手なダウンを奪った。

 5月25日のマクドネル挑戦を控え、17日に横浜市内の所属ジムで、王者と同じ身長178センチで10戦全勝のラザ・ハムザ(英国)とスパーリングを開始。強烈な左ボディーを打ち込み、ひざまずかせるなど、上々の滑り出しをみせた。

 3月には身長175センチでWBA世界フェザー級2位のチャン・ウー(中国)とスパーリングを重ね、対策を練った。その上で今回マクドネルと同じ英国人と拳を交えた井上は「日本人やアジア人では、ああいった体形はいないので練習になります」と手応え十分だ。

 ハムザは「今まで多くのスパーリングをしてきたが、ボディーでダウンしたのは初めて」と驚きの表情。母国ボクシング界で英雄のマクドネルだが「井上の方が若いし、勝つだろう」と予測した。16日から所属ジムから徒歩圏内にあるホテルに宿泊。過去の世界戦よりはホテル生活を約1週間早めた。「完全に集中したいので」。早くも世界戦モードに入った。【藤中栄二】