昨年8月に男女通じ最速のプロ2戦目で東洋太平洋女子アトム級王者となった松田恵里(24=テンカウント)が、日本王座の鈴木菜々江(26=シュウ)を3-0の判定で破り、プロ3戦目での2冠を達成した。

インファイトで向かってくる鈴木に対し、距離をつくって有効打を重ねた。採点は1人が79-74、2人が78-74と圧倒。身体能力を生かした足さばきで、経験の差をカバーした。松田は試合後のリング上で「鈴木選手は、本当に気持ちの選手だった。もっと突き放せるように練習したい」と謙虚に勝利を喜んだ。

この日着用したトランクスとガウンは、アマチュア時代から指導を受ける元東洋太平洋バンタム級王者鳥海純会長(45)が現役時に使っていたものを、小さくリメークしたものだった。鳥海会長は「ゼロから育てて、応えてくれた。娘みたいなもの」。松田も「お父さんのトランクスをはいて勝ててうれしい」。会長が取れなかった日本タイトルを取り、恩返しした。

プロ4戦目での国内最速の世界タイトル奪取に期待がかかるが、鳥海会長は「まだ王者には力が及ばない。じっくり育てて、みんなが認めてもらってから」と慎重な姿勢をみせた。プロデビューからわずか7カ月で2つのベルトをつかんだ松田は「女子でも、男子のようにかっこいい試合ができるボクサーになりたい」と夢を語った。