ボクシング・フェザー級トーナメント優勝者に、副賞として漫画「はじめの一歩」に登場する権利が贈られる!? 30周年記念の「はじめ-」を冠にした、同大会の出場選手発表と組み合わせ抽選が3日に都内であった。

7選手による大会は11月19日に東京・後楽園ホールで6回戦の1回戦で開幕。来年2月27日の準決勝から8回戦で、5月に墨田区総合体育館で決勝の予定。優勝者には100万円が贈られる。

作者の森川ジョージ氏も出席し、副賞を問われると1度は「考えさせて」と答えた。選手の意気込みを聞いているうちに盛り上がり「漫画に出しちゃおうか。名前も顔も覚えたので。キャラ的にいい選手もいるし」と、漫画に登場させることを約束した。

優勝候補の溜田剛士(26=大橋)は、日本同級7位で28戦目と最もキャリアがある。父親がボクシング好きの「はじめ-」のファン。「漫画は家にあったので、ボクもファンです」と、森川氏とうれしい記念撮影となった。

中学を卒業すると長野から上京してヨネクラジムに入門した。初代日本同級ユース王者となったが、17年にジムが閉鎖となり、元ヨネクラジムだった大橋会長に誘われて移籍した。この大会には大橋会長から「当然出るよな」と言われて、出場を即答した。

1回戦はイ・ジェウ(26=韓国)と決まった。韓国でも「はじめ-」は「ザ・ファイティング」の題名で人気となった。イは「チョン・イルボという主人公を見て、自分も王者になりたいと練習してきた」とコメントに、溜田は「倒されに日本へ来てください。KO率から優勝するのはボク。しっかり倒してインパクトを残し、日本王座に挑戦したい」と自信を見せた。

1回戦1試合は唯一の日本人対決となった。拓大で主将だった竹嶋宏心(23=松田)は名古屋からの参戦。高校選抜と国体で準優勝し、プロでは4戦全勝(3KO)のアマ経験は随一を誇る。

「これはボクの大会。断られてきた日本人とやっと試合ができる。圧倒する」と豪語。勝てば、シードで経験豊富なリチャード・プミクピック(29=フィリピン)と対戦にも「オファーしていた相手。願ってもない」と意気込んだ。

対する渡部大介(28=ワタナベ)は日本同級6位と、日本人選手では最上位ランカー。道都大でアマ経験があり、4学年下の竹嶋とスパーリングしたこともある。「大学の頃とは違う。ボクはプロ向きといわれている。パンチ力が違うので倒して見せる」と応戦した。

草野慎悟(30=三迫)はマ・シャン(23=中国)との1回戦となった。13年に東日本新人王となり、こちらも17年にヨネクラジムから移籍した。「最年長で誰も勝つと思ってないでしょうが、奇跡を起こします。漫画に出たい。デンプシーロールで倒してみせる」とアピール。森川氏は「6回に集約される試合はみんな楽しみ。漫画のような試合をして」と期待した。