今年3月にタイで世界初挑戦し、王座獲得に失敗したWBC世界ミニマム級11位田中教仁(35=三迫)が再起戦で勝利を飾った。

同級8回戦で高田勇仁(22=ライオンズ)と拳を交え、3-0の判定勝ち。コロナ禍の中、スタンドに応援にやってきた父や娘らに感謝し「勝った姿を見せられたことは収穫」と安堵(あんど)の笑みをみせた。

3月3日にタイ・ナコンサワンでWBA世界ミニマム級王者ノックアウトCPフレッシュマート(タイ)に挑戦したが、0-3の判定負けを喫した。35歳のベテラン。「本当に、これが自分の(現役生活の)終わりになるという恐怖があった」との気持ちを抑えながら序盤は手堅く、慎重に攻めた。手数多く攻める高田に対し、6回以降は強烈な左フックや右オーバーハンドがクリーンヒットさせてポイントを稼いだ。それでも「(採点が)フルマークでもなく、倒せず、ダウンの奪えなかった」と試合内容の反省も忘れなかった。

世界再挑戦のために再起したという田中は「また1からやり直したい。残り少ない伸びしろを逃していきたい」と決意を新たにしていた。