プロレスリング・ノア代々木大会(6日、代々木競技場第2体育館)で開催されるGHC選手権の調印式が4日、都内で行われ、ナショナル選手権王者の拳王(35)が、対戦相手の桜庭和志(51)に会見中飛び掛かるシーンがあった。

拳王の印象を「怖い。試合を楽しみながらやりたいので、あまり怒らないで下さい」と淡々と語る桜庭に対し、突然マイクを取り「何が怖いだよ。なめてるのか」と一喝。さらに「その棒読みみたいなセリフ。ちゃんと感情入れてしゃべれよ」と浴びせた。横からにらむ拳王に対し「俺の感情はこんな感情なんですよね」と桜庭は目を合わせず、前だけを見ていた。次の瞬間、拳王が、桜庭に襲いかかり、持っていたベルトで押し倒した。さらにテーブルの上から、倒れ込む桜庭の上に飛び乗り、KO。“敗れた”桜庭は腹を押さえ、スタッフに抱えられながら退場した。

2人は今月1日の後楽園大会でもやり合っていた。タッグマッチで対戦し、桜庭、NOSAWA論外組に敗れた拳王は怒りが収まらず、リング上でマイクを握って叫んだ。これには普段冷静な桜庭も激怒し、マイクを取ったがスイッチが入っておらず、場内は笑いに包まれた。

この行動に対しても拳王は「わざとやって、おちゃらけたまねをしやがって」と注文を付けたが、桜庭は「マイクはわざと切ってない。試合も楽しんでやっているだけ。そこに突っ込み入れられても困る」と柔らかに反論。暴言を浴びせてもかわされ、煮え切らない態度に、拳王がついにしびれを切らした。

「全盛期の桜庭和志。お前にないのは緊張感と殺気。それを出した上で倒す」と怒りが収まらない拳王に対し、「頑張るのは当たり前だけど、頭を働かせながらやりたい」とマイペースの桜庭。“前哨戦”は拳王の勝利となったが、どちらが強いかは、6日代々木のリングで決着をつける。