競輪選手との二刀流レスラーSHINGO(川上真吾、34)が、2戦目となる有観客での試合で、鈴木心(29)と対戦したが、倒立式逆さ押さえ込みで敗れた。

ジムでの練習でも肌を合わせ、体格でも勝っていたが、フットワークの軽い相手に隙を突かれた。「テクニックが上で、経験の差が出た」と敗因を分析した。

持ち味は発揮した。手足をキメられるも長いリーチでロープをつかみ回避。競輪で鍛えた太い足で重いキックを見舞い、プロレスで鍛えた上半身で強烈なタックルを浴びせた。相手を軽々と抱え上げ、リングにたたきつけるなど、優位に試合を進めた。終盤鈴木を持ち上げ、アルゼンチン・バックブリーカーの体勢に入ったが、ファンへのアピールからか、リング上をそのまま走り回る間に襲撃され、決められず。その後3カウントを奪われ、リングに沈んだ。

10代からプロレスが好きだったという川上。その後競輪の道に進んだが、未練は捨てきれず、18年に「筋トレするのにプロレスの道場でできたら最高」とヒートアップの門をたたいた。昨年10月にプロテストに合格し、12月、同団体の今井礼夢と一緒にデビューを果たした。最近では、時間の使い方にも慣れ、午前中はプロレス、午後は競輪と効率よく練習を重ねる。27日の奈良競輪では見事1着。「両方にマッチする体に仕上がってきた」と手応えを口にするSHINGO。プロレスラーとしての初勝利は確実に近づいている。