ボクシング日本フェザー級タイトル戦の前日計量が、10日に都内で行われた。V3戦となる同級王者佐川遼(26=三迫)は56・8キロ、同級1位丸田陽七太(23=森岡)は56・9キロと、ともに57・1キロのリミット以下でクリアした。

当初は昨年のチャンピオンカーニバルの好カードとして、4月に開催予定だった。それが6月も中止となり、仕切り直しとなった。佐川は「前評判の高い選手。インパクトがある勝ち方、倒して勝ちたい」と連続KO防衛を狙う。

身長が7センチ高く、4試合ぶりの右との対戦となる。「ここまで差がある相手はあまりいなかったが、右相手の方がダウンを奪っている。プレッシャーをかけ、後半に右ストレートを当てて」と話した。昨年8月の6回KO以来コロナ禍で2試合目に「丸田君は間隔があり、そこは有利」とも付け加えた。

残り2キロでホテル入りして問題なく計量も終えた。「アマ時代にも経験しているので」と落ち着いたものだった。世界ランクではWBCで9位まで浮上。勤務先コロンバンの社長や取引先も応援に駆けつける。応援に応えて、世界へのステップを期す。

丸田は17年に東洋太平洋スーパーバンタム級以来、4年ぶりの王座挑戦となる。指名挑戦となるが2度の延期時点で、21年に先延ばしを申し入れた。「世界へはタイトルをとるしかない。じっくり調整したかった。応援にきてくれる人にも迷惑もかけられない」との判断だった。

1年4カ月ぶりの試合となるが、逆にじっくり体をつくり、さまざまな技術を磨いてきた。「体も大きく強くなった。技術もレベルアップした。減量もめちゃくちゃうまくいった」と終始笑顔だった。

4試合連続後楽園ホールの遠征となり、初めての自主隔離にもなった。大好きなクレヨンしんちゃんの枕カバーとクッションを持参。ホテルでは「いつもの自分の雰囲気」を演出してリラックス。「全力で楽しんで勝ちたい」と試合を待ちかねていた。

今回の計量から前日のPCR検査とともに、蒲田にある牧田総合病院内で実施された。これまでは日本ボクシングコミッションで実施していたが、陽性時の素早い対応のため。ホテルも徒歩圏内にあり、佐川は「スムーズでストレスない」と好評だった。