総合格闘技のRIZIN27大会(21日、愛知・日本ガイシホール)の前日計量が行われ、初参戦となる山本聖悟(25=フリー)が、56・80キロ(57キロ以下)で1発クリアし、安堵(あんど)の表情を見せた。

地元愛知での大会。小学生時代から空手に励み、力を付けていたが、その後やんちゃな性格だったこともあり「非行を繰り返してしまった」。暴走族に入って大暴れしたこともある。その後は施設に入れられた。18歳で出てきたが「周りは大学進学や就職したり、免許を取ったりで劣等感があった」。格闘技に目覚めたのは、同じ地元の朝倉未来からのメッセージだった。「まだ俺たち若いからまた格闘技頑張ろうよ」と励まされた。朝倉とは15歳で地下格闘技に一緒に出ていたときに知り合った。落ちこぼれた自分を見捨てずにエールをくれた先輩に感謝し「格闘技頑張ろうと」と改心した。

16年3月にDEEPで格闘家デビュー。その後GRACHANなど、さまざまな団体を渡り歩き、最近は韓国のROAD FCに参戦していた。コロナ禍で試合がなくなり、昨夏に帰国。「ビザの延長ができず、国籍を変えると徴兵もあるし、大変だったので簡単ではなかった」。あこがれていたRIZINからのオファーが届き「出られてうれしいのと、看板を背負っているので頑張らないとという責任感がある」と覚悟を見せる。

対戦相手の村元友太郎(26=ALIVE)に対しては「最初から早い打撃で痛めつけようと思っている。ボコボコにする」と豪語。空手で培った打撃と長い手足を生かし、約1年半ぶりの試合で勝利を狙う。1度道を踏み外したが、地元のスターの一言で新たな道を見つけ、夢の舞台にたどり着いた。「人生というのは何でも経験。苦しい思いをしたので、それを試合にぶつけたい」と意気込んだ。中学時代の友人や、一緒に戦う仲間からもたくさんエールをもらった。「地元のために頑張ろうと」。支えてくれた多くの仲間にリング上で恩返しをする。【松熊洋介】