IWGP世界ヘビー級の新ベルトを手にした初代王者の飯伏幸太(38)が、4日(両国国技館)の初防衛戦の相手、ウィル・オスプレイとの前哨戦に勝利した。

ベルトは「(防衛戦に)勝つまで巻かない」と肩にかけて入場。光り輝く新しい“相棒”からパワーをもらい、躍動した。

オスプレイと相対した飯伏は、素早い身のこなしから、ムーンサルトを決め、ラリアットでなぎ倒した。かわされたカミゴェは、その後コブにさく裂させ、3カウントを奪った。勝利後は「どうだ」と言わんばかりの表情で、オスプレイをにらみ付け、王者の貫禄を見せつけた。

オスプレイとは昨秋のG1クライマックスで勝利しているが「その頃とは違う」と成長を認める。今月行われたニュージャパンカップでは、SANADA、鷹木ら強敵を倒して優勝しただけに、若さと勢いを警戒する。「このキャリアであれだけできるのは、当時の自分と比べても上だと思う」と語った。

1月に2冠王者となってから、並みいる強豪を退け、ベルトを守り続けた。反対する選手もいる中、自分の意志を貫き、統一を実現しただけに思い入れは強い。試合前に行われた贈呈式では、肌身離さず持ち続けてきた2本のベルトに感謝の気持ちを込めながら返還。「2つのベルトが大好きだったから、世界に向けて大きく、新しくしていきたい。形は1つになったが、気持ちは2つ(のまま)」。4日、初防衛戦に勝利してベルトを腰に巻き、IWGP世界ヘビー級の歴史をスタートさせる。【松熊洋介】