ボクシング東洋太平洋フェザー級王者清水聡(35=大橋)が2度の試合延期を乗り越え、王座統一戦に臨む。21日に東京・後楽園ホールで開催されるフェニックスバトル77大会(日刊スポーツ新聞社後援)でWBOアジア・パシフィック同級王者森武蔵(21=薬師寺)と2本のベルトを懸けた王者対決を控える。当初は3月に組まれていた王者対決だったが、森の負傷で5月13日に延期。さらに政府による緊急事態宣言の発令を受け、2度目の延期となったカードだ。

昨年7月、無観客試合で5度目の防衛を成功させていた清水にとって約10カ月ぶりのリングとなる。2度にわたる延期で長い試合間隔となってしまったものの「プラスに考えている。自分のコンディションだけを考えていました」とクールな笑み。今回は有観客試合になることもあり「シーンとなる中で試合するのは嫌なので(有観客は)良かったですね」と安堵(あんど)の表情も浮かべた。

35歳を迎えた12年ロンドンオリンピック(五輪)男子バンタム級銅メダリストはコンディション作りに低酸素トレを導入した。所属ジムのビル内にある低酸素環境専門の高地トレーニングジムに週1~2回ペースで通い、心肺機能や持久力を養ってきた。今月には休日にも低酸素トレに取り組み「最後も仕上げていきたい」と油断はない。「ダイヤモンドレフト」と言われる左拳でWBOアジア・パシフィック王者森を倒すイメージはできている。「勝つことが大事。ベルトが増えることにこしたことはないが勝てばついてくることなので」。キャリアと実績で上回る清水が、王座統一に向けて自信を示していた。