世界タッグ選手権試合は、王者青柳優馬(25)、宮原健斗(32)組が石川修司、佐藤耕平組を破り、3度目の防衛に成功した。青柳が、ジャイアントスラムを狙った石川をフロントネックロックで切り返し、エンドゲームでギブアップを奪った。

劇的な逆転勝利で、ようやく恐怖から解放された。「(石川・佐藤の)ツインタワーズ倒したぞ。もう怖くない」と高らかに語った。5月のチャンピオンカーニバルで対戦した2人から挑戦表明を受けた。身長が高いだけでなくパワーもある2人の攻撃におびえていた。同16日の対戦が決まっていたが、コロナ禍により、6月9日に延期。「不謹慎だけど、正直大会が延期になって(対戦も)なくなって欲しいと思っていた」。その後の大会でも「怖いので戦いたくない」と漏らしていた。胃腸の具合が悪化し、今月4日の会見では途中で胃薬を服用するほど。「胃薬を飲んでから入場します」と話していたが、パートナーの宮原も「本当か嘘なのか。正直何をしたいのか」とお手上げ状態だった。

ベルトを守り、胃の調子は戻ったが、今度は頭の中が“壊れて”しまった。土肥こうじと羆嵐に襲撃を受け、挑戦表明されると、宮原が勝手に受諾し、26日の4度目防衛戦が決定。それを聞いた青柳はなぜか「大森北斗」の名前を連呼し「お前の挑戦受けてやる」と叫び続けた。隣の宮原も「あいつおかしい。誰か止めてよ」と報道陣に助けを求めたが、訂正を受けても直らず「大森~」と言いながら会場を後にした。なぜ大森北斗の名を口にしたのかは分からずじまい。20日には地元・松本での試合が行われる。「楽しみにしている」と話す青柳だが、それまでに病? を治して万全の姿でリングに戻りたい。【松熊洋介】