挑戦者の日本スーパーライト級5位鈴木雅弘(25=角海老宝石)が新王者となった。

2度目の防衛戦だった同級王者永田大士(31=三迫)に挑み、10回2分9秒、TKO勝ちを収めてプロ6戦目で初王座を獲得した。相手陣営のタオル投入によるTKO撃破に「終わったんだ、やったと思った。タオル投入も気づかず、ただ夢中でした」と笑顔で振り返った。

アマ強豪の東京農大出身で、90戦(64勝26敗)と経験豊富の鈴木。永田に対し、左フック、右アッパー、ワンツーで攻め込み、5回の途中採点ではジャッジ3人中2人にフルマークをつけられて優位に立った。後半に逆転勝ちを狙った永田の猛攻を受け「途中で心が折れそうになった。けれど左フック、左ボディーで(永田のパンチに)合わせるつもりでした。うまくはまりました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

太りすぎのため、ダイエット目的で小学5年からボクシングを開始した。中学時代にU-15ボクシングで優勝を飾ったものの、駿台学園高、東京農大ではタイトルに恵まれなかった。鈴木は「結果的に1番をもらえた。ボクシングをやってきて良かったとやっと思える。家に箱1つ分のお菓子があるので食べたい」と冗談も。前日計量もパンツを脱いでリミットでパスした際のエピソードも明かし「ハーゲンダッツ(アイス)を2個食べたからなんです」と告白し、報道陣を笑わせた。

またスーパーライト級で日本王座を奪取しながらも「自分は高校時代からライト級でやっていてこだわり、魅力があります。今回はチャンスだったのでスーパーライト級でしたが、いずれライト級でやりたいと思っています」とも口にしていた。