史上7人目の4団体統一王者誕生はならなかった。WBAスーパー、WBC、IBF世界スーパーウエルター級王者ジャーメル・チャーロ(31=米国)と、WBO世界同級王者ブライアン・カスターニョ(31=アルゼンチン)の対戦。ともに持ち味は発揮もダウンなく判定に持ち込まれ、採点は1-1の三者三様で引き分けとなった。ともに防衛成功も4冠統一はならなかった。

カスターニョはガードを固めてプレスをかけ、接近しての左右フックで攻勢を仕掛けた。2回には左フックで腰を落とさせた。チャーロは下がってロープを背にする場面も多く、狙いすぎか手数も少なかった。

10回にチャーロがジャブを突きながら反撃に出る。右をクリーンヒットさせてぐらつかせ、左右の連打を浴びせてコーナーへ押し込んだ。11回にも終盤ロープへ押し込み、地元ファンの大歓声を浴びた。

採点の結果はカスターニョが114-113、チャーロが117-111に114-114と割れた。チャーロは「勝ったと思った。ボクの方がパンチは当たっていた。スキルと能力で勝てると思っていた」と悔しがった。「タフでガードが高かった」と振り返った。

カスターニョは「彼もパンチを当てたが、勝ったのは私」とこちらも勝利を主張した。終盤ピンチにも「10回にダメージをもらったが、その後は頑張った」と言い張った。

再戦で今度こそ統一と水を向けられたチャーロは「4つのベルトを手にしたい。またやりたいが、ゆっくりマネジャーと考える」と即答はしなかった。カスターニョは「彼はグレートファイター。ぜひリマッチしたい」と言い切った。

これまでの4団体統一王者は、04年にバーナード・ホプキンズ(ミドル級)、05年にジャーメイン・テイラー(同)、17年にテレンス・クロフォード(スーパーライト級=いずれも米国)、18年にオレクサンドル・ウシク(クルーザー級=ウクライナ)、昨年にテオフィモ・ロペス(ライト級=米国)が達成している。