日本プロレス殿堂会主催のプロレス史70周年記念大会「LEGACY」が14日後楽園ホールで行われ、新日本で一時代を築いたアントニオ猪木氏(78)、藤波辰爾(67)、全日本などで活躍した天龍源一郎(71)の殿堂入りが発表された。

藤波は猪木氏と一緒の受賞に「先輩と肩を並べるのはおこがましい」と言いつつも「昭和45年にプロレス界に入るきっかけを作ってくれた。殿堂の賞をまさかいただけるとは思っていなかった」と喜びを語った。

8月29日に退院した猪木氏はビデオメッセージでの登場。「元気ですかー。70周年おめでとうございます。ブラジルに行って、こういう形で入門するとは思わなかったが、これも運命とか宿命だと思う」と元気よくコメント。映像を見た藤波は「今の頑張っている姿を見るとこみ上げてくるものがある」とかみしめた。来場はかなわなかったが、藤波は「仕方ないことだけど、もし入場してくれたら、ファンの人たちも喜んだと思う」。最後は猪木氏に届けと「行くぞー。1、2、3ダー!」と叫び、大会を締めた。

藤波は15年に米団体WWEの殿堂入りを果たした際の豪華なセレモニーに衝撃を受けた。「プロレスをやっていて本当に良かった。日本でもこんな風にレジェンドたちをたたえられたら」。2世たちの力を借り、昨年2月に殿堂会を発足させた。藤波の息子でプロレスラーのLEONA、長州の娘婿の池野氏、天龍の娘の嶋田氏らと活動を始めた。コロナ禍でイベントの中止が続いたが、今年4月に藤波、長州らがトークショーを開催。ようやく第1歩を踏み出し、この日の大会につなげた。「本当はもっと早くするべきだったが、力道山先生が作ってくれたものを残すという意味では、いいスタートになったのでは」と目を細めた。

15日には故・ジャイアント馬場さん、故・ジャンボ鶴田さん、長州力の受賞セレモニーが行われ、藤波はプロレスラーとしてリングに上がる。「ライバルやファンの力があってのこと。自分は体が続く限りプロレスをやっていきたい」と力強く誓った。プロレス界に新たな1ページを刻んだ藤波は、これからもリング上からプロレスの魅力を伝え続ける。【松熊洋介】