全日本の主役になるチャンスが来た。宮原健斗(32)が、ゼウスに勝利し、3冠ヘビー級王座の次期挑戦者に決定した。

終盤、ブレーンバスターをこらえると、蹴りを浴びせそのままスネークリミットで絞め上げ、ギブアップさせた。「挑戦権をかけた戦いで勝ったぞ」と興奮気味に叫んだ。

16日の保土ケ谷大会で「次のターゲットは3冠チャンピオン」と、ベルトに意欲を示していたゼウスとの挑戦者決定マッチを要求した。この日権利を得た宮原は、王座防衛に成功したリーのもとへ、珍しくスーツ姿で向かった。「いつの時代も主役は2人もいらない」と挑発した。対決は10月16日大田区大会に決定。「今の時代は俺の時代なんだよ」と叫んだ。

昨年3月に10回防衛中だったベルトを諏訪魔に奪われてから、頂点に立つことができていない。今年6月の3WAYマッチでもリーに奪われた。「3冠ベルトは今俺が1番欲しいもの」と話す。7日の後楽園大会では、青柳優馬と持っていた世界タッグのベルトを奪われ、その結果、12日の地元福岡大会は無冠で迎えるという屈辱を味わった。

全日本のエースには、控えめな発言は似合わない。16日の大会後には「実績は何もない」と後ろ向き…かと思いきや「1つだけある。実績は俺が宮原健斗だということだ」と宮原節をさく裂させた。

宣言通りの勝利で、王座奪還へのチャンスをつかんだ。10月16日、リーを沈めて5度目の王者に輝き、宮原の時代を復活させる。