元世界3階級制覇王者でWBO世界スーパーフライ級9位・田中恒成(26=畑中)の再起戦が24日、発表された。12月11日に名古屋国際会議場で、IBF同級5位の石田匠(30=井岡)と契約体重52・5キロの10回戦で対戦する。

田中は昨年大みそか、4階級制覇をかけてWBO同級王者の井岡一翔(32=志成)に挑むも、8回TKOで初黒星を喫した。時間をかけて上がる再起のリング。畑中清詞会長(54)は「新しい田中恒成が見られると思います」と話し、興行のタイトルを“リボーン”と発表した。

田中も相当の意気込みで臨む。石田を「世界王者を除けばこの階級で1番強い選手と思っている」と評価し、「次の試合で終わってもいいと思えるぐらい、この試合にかけたいと思います」と語気を強めた。

世界初挑戦でWBC世界ライトフライ級王座を獲得した矢吹正道(29=緑)とは、スパーリングで拳を交えた。「(前王者の)拳四朗選手は負けないボクサーだから難しいと思っていた。それが一発勝負でとったんで、純粋にすごい。尊敬します」と刺激を受けた。

勝てばIBFの世界ランクにも入る可能性が高い。ここまで世界戦はWBOひと筋だったが「(団体には)こだわらない」。

対戦する石田もコメントを発表。「自分にとっては3度目のチャンス。世界挑戦、世界挑戦者決定戦、そして今回。ベルトはかけられていませんが、世界戦に匹敵するような試合を用意していただき感謝しています。三度目の正直、ラストチャンスだと思っています。人生かけて1ラウンドからKOを狙う気持ちで思い切りいきます」と熱い意気込みを隠さなかった。【実藤健一】